10月に書いたTPPに関する記事へのアクセスが多いので再度、TPPについて述べてみる。
余談であるが、岡田幹事長は小沢さんへの「政治倫理審査会」への招致を断念し「証人喚問」を要求するそうだ。
実現の可能性はゼロに近いが、小沢さんが出席に対し下記のような条件をつけたら面白いことになる。
証人喚問出席の条件
「昨年、西松建設献金事件において、秘書の大久保が検察に逮捕されました。それにより、国会、その他において私の政治責任が問われ、激しい非難に晒されました。私は、秘書の無罪を一貫して主張してきましたが信用してもらえず、党の代表を辞任することになりました。
その後の裁判でこの事件に関しては、無罪がほぼ確定しております。また訴追変更で追加された陸山会事件においても検察側の調書が取り下げられており、この件においても大久保の無罪はほぼ確定しております。
この件に関し、野党及び現与党の中で私の政治責任を追及し私に対して言われなき中傷をされた方たちの公の場での謝罪を条件に出席を受け入れます。」
とでも言えば、証人喚問は実現できないだろう。
そもそも野党は、国会対策上で言っているだけで本気ではない。
さて本題に入ろう。
TPPの問題点
前回の記事はコチラ⇒http://haru55.blogspot.com/2010/10/tpp.html
今回は前回に述べなかった問題点について書いてみる。
①関税自主権の放棄・・・全ての関税を0にすることは関税自主権を放棄することに等しく、今後の外交におけるカードと国内産業保護の手段をなくしてしまうことに繋がる。
②TPPの場合、アメリカと日本だけでGDPペースで90%程度を占めるはずである。輸出におけるメリットは少ない。実質アメリカとの2国間自由貿易協定と捉えた方がわかりやすい。
③TPPの制度設計が一般国民によく説明されていない状況では、判断のしようがない。(情報が少ない)
④相手国の生産品が補助金で守られていないかどうかを注視して検討する必要がある。
⑤TPPの場合、金融、サービスを始め対象範囲が広い。特に金融面でのアメリカの狙いがどこにあるのかを慎重に検討する必要がある。上場企業の外国人持ち株比率がどれくらいあるのか、一度調べてみるといい。自国の利益を最優先する国がアメリカであることを忘れてはいけない。
あたりが追加できる。
続いて農業の課題について述べてみる。
日本の農業の将来ビジョンが見えていない。
農業においては、政策全般の考え方の根本を見直す必要がある。
日本の農業は、価格維持中心の政策が取られてきた。果たしてその継続でいいのだろうか。
輸出に限らず商売の基本は
「相手のニーズに合ったいい物をいかに安く提供するか」である。貿易においても同じだ。
農業においても「売り渡し価格(売価)」を安くする政策を取り入れる必要性がある。
安くなれば、国際競争力も高まる。国内での販売価格の低下は生活物価の低減に繋がる。
その為には、生産者へ直に補助金を出すことで、まず生産者の生活を支え、適地適産で自給率向上を無駄なく進めることも選択肢の一つだ。(アメリカでは約30%、フランスでは約70%近くの補助金が農家に支払われている。)・・・農家の生活支援と農業経営の安定化支援
作物と産地を地域性や気候を考慮し、そして受給と供給の関係を考えながらバランスよく配置していくことも戦略の一つである。・・・価格の安定化にも繋がる。
戦略的輸出品目を決め、競争力のある農産品を1アールあたりの生産性を極限まで高める努力をし、少ない農地でも農業が成り立つ環境を整える。(デンマークが参考になる。)
日本の自給率は生産金額ベースで言えば70%弱である(カロリーベースだと40%弱)。
コンビニやスーパー、飲食店などでの多量な廃棄を考えれば、それほど潜在的自給率は低くないはずだ。世界第5位の農業大国でもある。
将来ビジョンに基づく農業政策の不在と価格維持にこだわった発想が農業の発展を妨げてきた。
日本の財政が悪化し円の価値が下がれば、外国の農産品を輸入するため莫大なお金が必要になる。
食料品を買うのに並ばなくてはいけない時代が来る。盗難や略奪が増え、治安も大きく悪化する。
社会不安を起こさないためにも、日本の農業をどう守り、どう発展させていくのかを真剣に考えなければならない。
子供手当てや高校の授業料無償化なども別の視点から見れば、農家の生活支援策である。
生活にかかるコストが下がれば、今までより少ない収入でも生活が可能になる。
雇用のミスマッチがよく叫ばれているが、其の多くは月給の額によるものである。
下記の基準で試算をしてみる。
月の生活費 25万円
夫婦(妻・・・専業主婦)
子供2人(一人は高校生)
子供手当て・・・当初の月額26000円(現在13000円)で計算 高校授業料 月額10000円で計算
特定扶養控除はそのままとする。
①子供手当てや高校の授業料無償化がない場合
手取り25万円の収入が必要
②子供手当てや高校の授業料無償化がある場合
25万円-26000円×2人-10000円×1人=188000円
失業して仕事を探す場合
①の場合では最低月手取りで25万円以上ある仕事を探さなければならない。そうしなければ生活が成り立たない。
しかし現実、私の住む地域の職安での求人は正社員でも額面で月20万前後の仕事がほとんどだ。
収入面での選択肢はほとんどない。
②の場合だと、収入面での仕事の選択肢は格段に増える。
現在の雇用のミスマッチは、中高年においては、収入面での条件が合わないことが最大の課題だ。
低所得といわれる、介護分野等への就業もしやすくなる。
これは同様に、新規農業従事者への参入条件を低くすることにも繋がる。
また現状の農家への家計面から見た生活支援政策と捉えることもできなくはない。
農業従事者の収入が低いことが、農業問題のもう一つの大きな課題であることは間違いないのだから・・・。
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