2007年度国民経済計算確報によると、日本の1人当たり名目GDP(国内総生産)は経済協力開発機構(OECD)加盟30か国中で19位に転落、先進7か国(G7)中では最下位となったことが明らかにされた。
2007年の日本の名目GDPは4兆3,850億ドルで、一人当たりでは3万4,326ドルとなった。2006年には日本は18位だったが、対ユーロでの円安などが響いて2007年には順位を一つ下げた。
日本は1993-1996年などには3位に位置していた。
個々の産業を見ても、90年代には世界一だったスパコンはいまや世界31位。
半導体も世界1位だったのに、台湾、韓国に負け、太陽光電池も世界6位まで転落した。
日本の産業は確実に衰退に向かっている。その大きな原因を作ったのが「小泉構造改革」であったことに間違いはない。
日本の経済力の低下が著しい。なぜこんなに下がってしまったのだろう。
過去の政策を含め検証が必要である。
こんな数字からも税収不足が予測できる。
所得税
派遣やフリーターと呼ばれる非正規社員が増加し、年収200万円以下の勤労者が増えていることから、一人当たりの所得税は減少し、それに伴ない所得税収入が下がるのは当然である。最高税率も下げ続けてきたので高額所得者からの納税額も下がり続けている。
労働分配率が低下していることが根本の問題で、それに伴い、各種社会保険の個人負担、会社負担分も低下するという2重の問題が発生する。
法人税
日本は法人税率が高いと言われるが、一部の大企業では高い内部留保を蓄えている。
当然、税金、配当を払った残りが内部留保であり、一概に高いとは言えないと感じる。
東京一極集中による地方の衰退や自由貿易協定(FTA)をどのように進めるのか等、優先すべき課題は多い。
相続税・贈与税・譲渡所得
これらも、ひと昔前よりは、かなり税率が下がっている。
全体の税体系をもう一度考え直す時期に来ていることは間違いない。
もちろん消費税も例外ではない。
簡単に表現するならば「活力が低下」しているということである。
政策を個別に議論する場合、「全体の活力をどのように生み出すか」を考えながら進めないと効果が薄いものになってしまう可能性がある。
省庁の縦割りの弊害を最小限にとどめ、連携しながらより効果の高い政策の立案とそれに伴う痛みや弊害の緩和策を一つの政策にまとめる作業が重要になる。
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